ロマンス詐欺に遭わないための鉄則──見破り方・チェックポイント・事件例を紹介

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前回の記事で解説した通り、現在、SNSやマッチングアプリ・出会い系サイトでロマンス詐欺の被害が急増中。日本だけでなく、世界的に流行しています。

 

ロマンス詐欺とは、相手の恋愛感情を利用して詐欺を働く、恋愛詐欺の一種です。ハイスペックな人物、年の離れた美男・美女を装って相手に近づき、親しくなったタイミングで投資詐欺や悪徳商法への勧誘、金銭の詐取などを行います。相手が外国人の場合は「国際ロマンス詐欺」とよばれます。詳しくは前回の記事をご覧ください。

 

インターネットで「ロマンス詐欺 事件」などと検索すれば、実に多くの事件が発生していることが分かるでしょう。今回は、詐欺アカウントの特徴や見破り方、被害に遭わないためのポイント、実際の事件例などを紹介します。

 

 

詐欺アカウントの特徴と見破り方

まず、詐欺アカウントの特徴をまとめてみましょう。巧妙な詐欺業者や詐欺師の場合は、チェックに引っかからないこともあるので、注意してください。

 

詐欺アカウントの特徴

プロフィール画像が美男・美女すぎる

日本の無名の俳優やモデル、海外の俳優やタレントなどの画像を使う場合が多いです。

 

画像が不自然、1枚しかない

俳優やモデルの宣材画像の盗用ならばポーズをつけた不自然なカットが多く、枚数も限られます。個人ブログやSNSから盗用した写真をプールして使う例もありますが、その場合、1カットを持っていないことも多いです。ただし、盗用先のブログやSNSから継続的に盗用している場合は、日常的な写真を複数保持している場合があります。

 

条件が良すぎる

華麗な肩書き、高年収などをアピールします。既婚女性アカウントの場合は「単身赴任で一人暮らし」なども、男性を誘う条件になるでしょう。若い美男・美女が「年上が好きです」などと謳うのも警戒するべきです。

 

趣味に「投資」が含まれている

稚拙な業者の場合、趣味に「投資」を含める例が多いです。

 

会話のなかにお金持ち・稼いでるアピールが入り込む

会話の中に投資詐欺に引き込むための「伏線」が入り込みます。お金に余裕がある生活をアピールしたり、著名人や経営者との交友などをアピールして、相手を信頼させるのはよくある手法です。

 

収入・貯金額・資産などを聞いてくる

詐欺アカウントは、普通の会話の中で巧妙に、収入や貯金額、資産などを聞いてきます。どのくらいの規模の詐欺ができるかをはかるためです。マッチングアプリや出会い系サイトで出会った相手に、収入や貯金額、資産などは絶対に教えてはいけません。

 

 

 

■詐欺アカウントの見破り方

上の「詐欺アカウントの特徴」にいくつかに該当して、「怪しい」と感じたときは、次の方法を試してみましょう。

 

プロフィール画像を画像検索してみる

Googleの画像検索などを試して、インターネット上で盗用した写真ではないか調べてみましょう。ただし、足がつかない画像を使っている例が多いため、それほど期待はできません。

 

写真を撮影して送って欲しいと頼んでみる

詐欺アカウントは、メッセージなどで高級レストランでの外食や高級品の購入、高級リゾートホテルへの宿泊などをアピールしてきます。高級マンションや高級車を自慢してくることもあるでしょう。

そのとき、さりげなく「写真を送って欲しい」と頼んでみましょう。ごまかしがききにくい動画やビデオ通話なら、さらに効果的。アピールが偽りの場合は、様々な理由をつけて拒むはずです。

ただし、詐欺行為による収入で実際に金回りがいいケースありますから、実際に送られても警戒は解かないでください。

 

文春オンライン:マッチングアプリ仮想通貨詐欺の容疑者のInstagramより

 

以前の会話の中身から質問をしてみる

詐欺アカウントは、常にたくさんのユーザーとやり取りしています。前の会話を記憶していないことも多く、メッセージを送る際も確認がおろそかになりがちです。

「以前、こんなふうに言ってましたが、もっと詳しく教えてください」「この前、どこのホテルに泊まったって言っていましたっけ?」などと、自然な会話のなかでさりげなく質問して、その場限りの作り話でないか、今までの会話を大切にしているか、確認してみましょう。

 

相手のプロフィールや経歴などに関する質問を何度かしてみる

巧妙な詐欺アカウントなら、ある程度の細かい設定を作り上げているはずですし、対応のマニュアルなどもあります。

しかし、嘘のプロフィールや経歴ならば、これまで住んできた地域の詳しい情報、学生時代の話、職歴の話、現在の仕事や会社の話などを細かく設定するのは不可能です。その都度違う説明になったり、あやふやな説明になったりするでしょう。

ハーバード大卒というならケンブリッジの話、国際パイロットというなら訓練時代やライセンス取得の際の話などを聞いてみましょう。

 

家族や知人に警察関係者がいると伝える

詐欺アカウントなら、かなり警戒するはずです。場合によっては連絡が途絶えるかもしれません。

 

 

詐欺に遭わないためのチェックリスト

次にあげるチェックリストは、当たり前の話に思えるかもしれません。しかし、簡単に引っかかってしまう人が実際に多くいるのが現状です。常に念頭において、マッチングアプリ・出会い系サービスを利用して欲しいと思います。

 

□「絶対に儲かる話」などはありません
これを言ってきた時点で、排除しましょう。詐欺でなくても、人として危ういです。

□投資話に乗らない、お金を貸さない・送らない
インターネットで知り合った「どこの誰か」のわからない人です。絶対にやめましょう。この話をしてきた時点で、排除しましょう。

□年収や貯金額、資産を教えない
詐欺の疑いがある相手に限らず、安易に教えないようにしましょう。普通の出会い目的であっても、相手の貯金額・資産額を聞いて魔が差し、事件に発展するケースも多いです。

□常に冷静な「第三者の目」をもつ
相手のスペックが自分とかけ離れているなら、相手の目的はなんでしょうか。年齢が大きく離れた相手が、自分に好意をもつのはなぜでしょうか。この関係は、どの程度、現実性があるでしょうか。数億円の資産があるのに、数十万円・数百万円がすぐ必要とはどういうことでしょうか。安易に相手にのめり込まず、話を信じずに、冷静で客観的な思考を残すようにしましょう。

 

ロマンス詐欺の実例・事件簿

漫画家・井出智香恵さん 7500万円詐欺被害事件

井出智香恵さん(73)は「レディコミの女王」との異名をとるベテラン漫画家。2018年、井出さんのTwitterアカウントに、イタリア系アメリカ人のハリウッド俳優、マーク・ラファロを名乗るアカウントから連絡が頻繁に来るようになりました。

 

英語のメールを自動翻訳していると、映画やドラマのスケジュールなどが書かれていて「本人かも」と思うようになったそうです。返事したところ「井村さんの作品の英訳をエマ・ワトソンに勧められて読んだ」「女性として尊敬している」などとうれしいメールが返ってきたので、半信半疑ながらも次第にやり取りするようになったとのこと。

 

信じるようになった決定打は、マーク・ラファロが実際に井出さんに向けて話している動画でした。しかし、これはフェイク動画だと後でわかります。

 

井出さんの信用を得ると、“マーク”は次第に「妻とうまくいっていない。離婚したい」などと漏らすようになりました。そして、「離婚の調停をすることにした。財産が差し押さえられる前にあなたに送りたい。税関員などに払う口利き料、現金の移送料などを振り込んでほしい」と、最初の金銭の要求が──。

 

実際に送金する予定の札束や協力してくれる大使館員の画像などが送られてすっかり信用し、百数十万円を振り込んでしまったそうです。“マーク”は「税務署に見つかるため、自分では振り込めない」などと理由をつけて、井出さんに振込を依頼したとのことでした。その後、井出さんは約4年間にわたりあの手この手で金銭を要求され、最終的には合計7500万円も被害に遭ってしまいました。

 

相手はその後、アフリカ系の国際的な詐欺集団と分かります。英語圏では、アフリカ系の組織が暗躍し、フェイク動画など、最新のIT技術も駆使して、実に巧妙に詐欺をしかけてくるそうです。井出さんのこの体験談は、2022年1月のNHK-BS1の番組(全告白!国際ロマンス詐欺〜漫画家が陥った“偽りの恋”)として放送されています。

 


(週刊女性PRIME:https://www.jprime.jp/articles/-/23022?display=b)

 

ボイチェン仮想通貨詐欺事件

日本の詐欺業者による組織的なマッチングアプリ投資詐欺事件として有名なのが、2019年から2020年にかけて起こった「ボイチェン仮想通貨詐欺事件」です。東京の投資関連会社社長ら6人が2021年11月に逮捕されています。

 

この事件では、主犯格がSNSで50人くらいの若者を集めてマッチングアプリで詐欺アカウントを作らせ、知り合った男性たちに「将来必ず値上がりする」などと嘘をつき、仮想通貨を購入させていました。この仮想通貨は、独自に開発した価値のないものでした。

 

(出典:ABCニュースhttps://news.yahoo.co.jp/articles/5a8493c475e54057e309f73cd593e60ee699cefd

 

特徴的なのは、詐欺集団はほとんどが男性にもかかわらず女性を装い、ボイスチェンジャーアプリで声を女性に変えて通話し、勧誘していたところです。この手法で、約1,500人から計20億円近くを詐取していました。日本ではこれまでに類をみない、マッチングアプリを利用した巨額詐欺事件です。

 

詐欺アカウントはマッチング後、毎日LINEや通話でやりとりをしてきたと言います。投資話は、比較的すぐに始めてきたようです。

 

「ビットコイン以来の期待できる通貨だよ」

「私みたいに余裕のある生活ができるよ」

「これからアジアの通貨の中心になるよ」

 

こんな口車で、恋愛感情を利用して男性から多額の現金を集めていました。

1人で5000万円以上騙し取られたケースもあるとのこと。騙された男性は、相手と実際に会うことなくLINEや通話だけで多額の現金を送金していました。「会いたい」と言うと、連絡が途絶えたということです。

 

実際に会ってからも、投資話などは絶対に乗るべきではないのに、会っていないにもかかわらず現金を送るなんて絶対にやめましょう。

 

■最近の事件

この他にも、同種の事件は頻繁に起こっています。最近の事件をいくつか紹介しましょう。

 

●岩手県・盛岡市の事件:国際ロマンス詐欺を銀行員が未然に防ぐ

2022年6月27日に発生。盛岡市のゆうちょ銀行の女性行員が、「外国人との結婚のため、イエメンに48万円を送金したい」と言う中年女性が詐欺被害に遭うのを未然に防いだ事件です。

このような国際ロマンス詐欺が広がっています。「会ったことがない」「話したことがない」相手には絶対にお金を送らないようにしましょう。

 

(読売新聞:https://www.yomiuri.co.jp/national/20220722-OYT1T50092/)

 

●滋賀県・大津市の事件:投資話で280万円詐取

2022年7月11日発表。45歳の女性が架空の投資話で280万円を詐取された事件です。記事には「男性と称する人物」とありますから、こちらも実際に会わずに入金してしまったことがわかります。

 

(京都新聞:https://nordot.app/919154354012979200?c=39546741839462401)

 

●山梨県の事件:SNSを通じて1億5000万円詐取

2021年10月、50代男性がSNSを通じて中国に住む女性を名乗る人物に1億5000万円を詐取された事件、2022年6月、40代女性がマッチングアプリで知り合った「海外で育った日本人」と自己紹介する人物に2300万円を詐取された事件が紹介されています。いずれもFX取引を持ちかけられたとのことです。

 

(NHK: https://www3.nhk.or.jp/lnews/kofu/20220627/1040017176.html)

 

●ロマンス詐欺集団:タイで24人摘発

2022年7月には、テレビ朝日の「グッド!モーニング」で日本人を狙う国際ロマンス詐欺組織が取り上げられていました。タイで中国人を中心としたグループが摘発されたそうです。押収されたパソコンからは、美女の写真が大量に見つかったとのこと。この写真を使って、メッセージアプリで日本人男性を騙していました。

被害に遭った男性は、女性アカウントからFX投資を誘われて十数万円を振り込むと、連絡が途絶えたそうです。同様の被害は多数とのこと。

 

(テレ朝:https://news.yahoo.co.jp/articles/ac87b4bdad791b2ecc46aa7f05e10a49eaa26710)

 

●兵庫県・あわじ市の事件:無職の男が会社社長を名乗り「お金貸して」

投資詐欺ではありませんが、こんなケースもよくあるため、最後に紹介しましょう。寸借詐欺です。

男が「経営する会社が経営難でお金を貸してほしい」と言い、マッチングアプリで知り合った32歳会社員女性から440万円を騙し取った事件です。男は無職で、現金を渡した後に連絡が取れなくなったとのこと。相手の話、経歴などを無条件で信じることはやめましょう。

 

*    *   *

さて、前回に引き続き、最近被害が拡大している「ロマンス詐欺」について解説していきました。

報道されている部分だけを見ると、「こんな手口に引っかかるはずがない」と思うかもしれません。確かに、被害者の行動は軽率と思う部分もありますが、なかには非常に巧妙な手口を使う詐欺アカウントもあります。また、一度、お金を渡してしまうと、「信じたい」という心理も働くようです。「投資話は聞かない」「絶対にお金を渡さない」を守りましょう。

 

詐欺アカウントは、マッチングサービス、出会い系サービスに、日々大量に紛れ込みます。詐欺アカウントを放置している運営者も多いです。

しかしHealmate(ヒールメイト)は、24時間365日スタッフがパトロールし、不審なアカウントを排除していますから、安全度の高いサービスです。とはいっても、最近の詐欺アカウントは課金もしますから、完全に排除するのは不可能です。利用者の皆さんも、自衛を心がけてくださいね。

 

 

以上、外部ライターのウラノでした。

 

▼執筆:ウラノ
healmate magazinの外部ライター。既婚者の出会い、マッチング系、出会い系に、それなりに詳しいです。今後、既婚者同士の出会いの方法、体験談、既婚者同士がうまく行くコツ、既婚者同士の出会いで起こりがちなトラブルや実際に起こった事件例など、既婚者の出会い界隈のことを書いていきます。ある程度の限界はありますが、なるべく忌憚なく、ダメなものはダメ、良いものは良い(他社サービスであっても)と、正直に書いていきたいと思いますので、よろしくお願いします。
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