ロマンス詐欺がマッチング・出会い系で急増中！──よくある手口・見分け方を紹介

ロマンス詐欺とは

ロマンス詐欺をご存知ですか？

恋愛感情を利用して詐欺を働く恋愛詐欺の一種ですが、詐欺アカウントはハイスペックな人物や若い美男・美女を装い、条件的に釣り合わない一般ユーザーにアプローチしてきます。このように「現実ではあり得ないような出会い」を演出するため、ロマンス詐欺という名前がつきました。

外国人という設定も多く、この場合は国際ロマンス詐欺と呼ばれます。海外の詐欺業者が、多数のアカウントを組織的に動かすケースが多いです。

最近、ロマンス詐欺は巧妙化しており、「本当の出会い」と見分けがつきにくいケースが増えています。少し条件がよいだけの人物を装ったり、夢のために頑張っている若者・学生を演じたりするなど、現実にあり得そうな設定を使うため、恋愛詐欺との区別がつきにくくなっているのです。

今回は、ロマンス詐欺目的のアカウントによくみられるプロフィールの作り方、詐欺に誘導する典型的な手口などを紹介します。くれぐれも警戒してくださいね。

ロマンス詐欺は急増中

コロナ禍でマッチングアプリ・出会い系サイトの利用が急激に広がったこともあり、ロマンス詐欺の被害は世界的に急増しています。例えば2021年の全米におけるロマンス詐欺被害額は5億4700万ドルにも上り、2017年の6倍以上に増加しました（米連邦取引委員会〔FTC〕報告）。

日本では、国民生活センター越境消費者センター（CCJ）による相談件数のデータがあります。すでに2020年度から急増して注意喚起されていましたが、2021年度はさらに増加。下のグラフをご覧ください。データはセンターに相談した件数ですから、被害はもっと多いはずです。

特に増えているのは、投資詐欺に関する相談。

典型的な相談内容は、「出会い系サイトやマッチングアプリ等で出会って恋愛感情を持った相手から、実態のわからない投資等の海外サイトを紹介され、投資したら出金できなくなった」などです。

詳しくは国民生活センター「ロマンス投資詐欺が増加しています！－その出会い、仕組まれていませんか？－」（2022年3月3日:公表）をご覧ください。相談事例や詐欺の手口などもわかりやすくまとめられています。

「自分は騙されない」と思われる方も多いでしょう。「相手にのめり込まないから大丈夫」「被害者は異性に慣れない人や高齢者だろう」などとも思うかもしれません。

しかし、実態はそうでもありません。少し好意を持った程度の相手に騙されているケースも多いです。また、性別や年齢に関係なく被害に遭っています。なかには、異性との付き合い方に慣れているはずの元銀座クラブホステスの女性が騙され、1億円以上を詐取されたという事件もありますから、過信は禁物です。

典型的な手口

■プロフィールの作り方

●華麗なプロフィールで相手の気を引くタイプ

古いタイプのロマンス詐欺の場合は、華麗なプロフィールで注目を引きます。

例えば、

──などの肩書きを使い、自己紹介で自分が特別なVIPであることをアピールします。

ハーバード大学卒でMBAを取得している、著名人と交友関係がある、特別なクレジットカードを持っている、海外別荘がある、高級ホテルの年間会員であるなど、内容は様々です。

国際ロマンス詐欺の場合は白人の設定が多いですが、近年は華流・韓流ブームを背景に中国系や韓国系の設定もみられます。

プロフィール画像は、驚くような美男・美女の写真を使っているケースが多いです。海外の俳優やモデル、日本のまだ無名のアイドルや女優、個人のSNSから盗用した画像などを使っています。男性の場合は、顔をすべては出さずに雰囲気だけを伝えるカットを使うことも多いです。

普通に考えれば、このような人物がマッチングアプリ・出会い系サイトを使う可能性は低いはず。また、自分にアプローチしてくることはほぼないでしょう。第三者の目を持ち、冷静に考えることが、ロマンス詐欺に遭わないためには重要です。

●現実味のある設定を使う新しいタイプ

最近増えているのは、先ほども述べた「少し現実味のありそうな設定」を使うロマンス詐欺です。

例えば、

──などの肩書きを使います。

プロフ画像も美男・美女ですが、街中にいそうなレベルです。こんな相手とマッチングすると、つい「本当かも」などと舞い上がってしまいますが、冷静になって警戒を怠らないようにしましょう。

最近は、詐欺アカウントの「動かし役」の上に、「指南役」を置いて管理するほど組織化された詐欺業者が増えています。プロフィールなどの「設定」も多数のテンプレートが用意され、マニュアルも準備されています。餌食にならないように注意してください。

■詐欺への誘い方

●巧妙な詐欺アカウントに注意

「詐欺アカウントなんて、すぐに分かる」と思うかもしれません。

確かに、日本人の設定なのにカタコトの日本語を使うなど、怪しすぎる詐欺アカウントは多いです。

主に中国系の業者が、日本語の学習経験者などを使って動かしていて、現在、日本の様々なアプリに入り込んでいます。やりとりの途中でいきなりタメ口になったりするので、すぐに分かります。しかし、それは稚拙なアカウントです。

気をつけなければならないのは、巧妙な詐欺アカウントです。

日本人の詐欺業者、個人の詐欺師も暗躍しています。日本人の心理を巧みについてきます。

外国系の詐欺業者の場合は、日本好き・日本育ちの外国人を装い、様々な手口で詐欺話を持ちかけます。実際の著名人を装ったり、フェイク動画を作成したりするほど、大規模な仕掛けを行いますから、注意してください。

●最初は詐欺話をしないケースも

詐欺アカウントはすぐに詐欺に誘導すると思いがちですが、マッチング後、しばらくは普通のやりとりを続けることも多いです。

悪質サイトに誘導するフィッシング詐欺やワンクリック詐欺の場合は、詐欺業者に入る報酬単価が低いため、数回のメッセージ交換ですぐに悪質サイトへのリンクURLを送りつけてきたり、「別のサイトで話しましょう」「LINEかカカオを交換しましょう」などと言ってきたりしますが、投資詐欺は高額報酬を狙えるため、かなり気長に普通のやりとりをしてきます。

ここが騙されやすい一つのポイントです。

「自分のことをいろいろ話してくれた」「趣味の話で盛り上がった」から大丈夫などと思わないようにしましょう。なかには1か月以上にわたり、100回以上も普通のメッセージを交換した例もあります。

●詐欺話の切り出し方と内容

巧妙な詐欺アカウントなら、何度もメッセージでやり取りし、ある程度、信頼関係ができたタイミングで、外貨、FX、バイナリーオプション、仮想通貨、海外株、未公開株、企業への出資などを勧めてきます。

実際に会ってから勧誘するケース、メッセージ上だけで勧誘するケース、通話に誘って勧誘するケースなど様々です。

「自分もやっていて儲かっているから、少しやってみないか」などと、最初は少額の投資を言葉巧みに勧めてくることが多いです。

また、「絶対に儲かる投資があって明日までに300万円が必要。手持ちが280万円しかない。倍にして返すから20万円貸して」などという寸借詐欺のような手口、「将来に備えて投資を勉強しないか」などと投資サークルやビジネスサークルに勧誘するケースもあります。

投資詐欺以外にも、ネットワークビジネス、マルチビジネスなどの悪徳商法への勧誘、自己啓発グループ・宗教への勧誘なども相変わらず盛んです。

「必ず値上がりするから」と、高額商品を買わせようとする古典的な詐欺もまだあります。

ホストクラブやキャバクラなどに誘導するケース、パパ活・ママ活行為や援助交際に誘導するケースもありますから、これらも注意してください。

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いかがでしたか。マッチングサービスの利用が少し怖くなったでしょうか。しかし、ある程度、警戒して利用し、冷静な判断力を失わなければ、詐欺に遭うことは少ないです。

次回の「ロマンス詐欺に遭わないための鉄則」で、詐欺に遭わないための注意点、詐欺アカウントの見破り方、実際にあったロマンス詐欺事件などを紹介しましょう。

なお、詐欺アカウントを放置しているマッチング・出会い系サービス運営者も多いですが、Healmate（ヒールメイト）は、24時間365日スタッフがパトロールし、不審なアカウントを排除していますから、安全度の高い既婚者専用マッチングアプリなのでおすすめです。

とはいっても、毎日大量に潜り込もうとする詐欺アカウントを完全に排除するのは不可能ですから、利用者の皆さんも自衛を心がけてくださいね。

以上、外部ライターのウラノでした。